top of page

サインとデジタル案内を、同じ基準で考える - 英国の事例

hoan17
9月28日
読了時間: 2分

英国運輸省が2026年9月、バスメーカー、運行事業者、地方交通当局に向けたアクセシビリティ向上の推奨指針を公表しました。


車いすスペースや音声案内、聴覚支援設備など多岐にわたる内容のなかで、サイン計画に関わる立場として注目したのが、車内外のブランディング、サイン、ウェイファインディングにも、デジタル・プラットフォームと同じインクルーシブデザインの考え方を適用する、という項目です。


具体的には、明確な色彩コントラスト、読みやすい書体、利用者が自力で移動できる情報環境が求められています。

今回公表されたものは、英国のバスを対象とした推奨指針であり、空港や駅を直接規制する制度ではありません。また、すべてが直ちに義務化されるというものでもありません。

それでも、物理空間のサインと、Webサイトやアプリなどのデジタル案内を、別々のものとして扱わない考え方は重要です。


現実の移動では、利用者はスマートフォンで経路を確認し、施設に到着して案内サインを探し、館内図やデジタル表示を見ながら目的地へ向かいます。その途中で、名称、色、ピクトグラム、階数表記、目的地の分類が食い違えば、情報の受け渡しはそこで途切れます。

空港や駅、商業施設では、テナントの入れ替えや動線変更、運用時間の変更などによって、案内情報が絶えず更新されます。


そのため、これからのサイン計画には、表示物を一つずつデザインするだけでなく、

  • どの情報を、どの媒体で伝えるか

  • 物理サインとデジタル表示をどう対応させるか

  • 更新時に情報の食い違いをどう防ぐか

  • 視覚、聴覚、認知特性の異なる利用者をどう支えるか

といった、情報全体の設計と運用が必要になります。


サインは、壁や天井に取り付けられた表示物だけではありません。

利用者が移動の途中で触れる情報を、物理空間からデジタル環境まで切れ目なくつなぐこと。その仕組みを、更新し続けられる形で整えること。

英国の指針は、交通施設のサイン・デザインが向かう一つの方向を、あらためて明確に示しているように思います。


出典:英国運輸省

2026年9月21日公表


※掲載写真はイメージです。

 
 
 

コメント


bottom of page